福岡県立城南高等学校 vs 福岡第一

2022年4月23日(土) 小林亮寛コーチ　ゲームレポート 福岡地区大会3回戦　vs 福岡第一高校 ここまで3試合。僅差の試合をモノにしたり攻撃を緩めずゴールド勝ちをしたり、動揺や焦りから生まれるミスの連鎖も少なく大きな成長を感じる。一人ひとり、個々の成長もさることながらチームワークの成長も実感。更に勝利することで取り組みが正解であることを証明している。自信にも繋がっていることと想像する。成功と失敗の両方を素直に受け入れ納得しながらも現状に満足せず更なる成長を求めて挑戦して欲しい。勝利を目標として掲げることは大切だが、成長することが目的であることを大切にしたい。 【総評】 福岡第一高校は選手個々の力も経験値も我々よりも高い、が事前にリサーチした通り初球打ち、盗塁、作戦など、各選手の特徴がそのまま出ていた。これは今後のスカウティング(偵察)スキルに生きる。また、選手個々が相手選手のスカウティングを試みることでチームの戦略がより精度を増す。野球は3試合あれば２勝１敗で優勝することでき、学びを深めることができるスポーツ。何事も本気で挑戦し、経験から学ぶことで次につなげることの素晴らしさを教えてくれる。そろそろ、スカウティングレポート(表)を作成し共有することもチームが次のステップに向かう取り組みとしても良い。 福岡第一高校の打者の打球の速さ、走塁の意識レベルなどを実感したと思うのでそのイメージを持って練習しよう。個人の力はそれぞれ目標にして追い抜けないレベルではない。逆に、初球から積極的にファーストストライクを狙っていく姿勢、作戦やリレープレーなどチームワークでは勝っていたと思う。チームワークは一人ひとりの個人のスキルだと自覚して練習に取り組んでいこう。 私の視点で感じたことを率直に書き出す。すぐに取り組めることもあれば時間が掛けて経験を積んでいかなくてはならないこともあるが焦らずに一つ一つ取り組んで欲しい。 【攻撃面評価】 １）1回裏一死二・三塁。二塁走者中村聖。外野の位置を確認していない。ワンヒットでホームまで帰れるのか否かを準備しておくこと。＊相手のシートノック時に各外野手の肩の強さや送球の意識（ホームまで投げる意識があるか、初めから中継に投げているのか）を確認し把握しているか？ ２）2回裏一死一塁。走者太田。末武のバスターで三塁まで進む意志があったか？このケース（走者１塁のバスター）の作戦の狙いは走者１、３塁にしたい。打者が打つ瞬間を自分で見ながら走り、打球が内野を抜けた瞬間に三塁までのルートに切り替えることをやったか？ ３）2回裏一死二・三塁。スクイズ失敗。作戦、トライ共に悪くない。野球は作戦の応酬なのだ。気持ちの切り換えが直ぐにできたか？打者は日頃の打撃練習時から「打席に入った時の初球」を意識してバント、スクイズの練習をしよう！2球目、3球目で成功した時には相手の守備は準備をしている。奇襲だからこそ価値あり。この経験から学んで次に活かせOK！ ４）3回裏二死一塁。奏者西野。ディレードスチール？右打者の時はキャッチャーから走者が見えるのでNG。左打者で、こちら（走者）のスタートを警戒していなことを確認して企画する。走らない、と油断させておくとGOOD。 ５）庄山。リードを含め走塁の勉強を。セカンドランナーで飛び跳ねすぎ→走塁の質を見抜かれる。「作戦はない」と相手に余裕を与えてしまう。 ６）ファールフライでのタッチアップや、前身守備の外野が後方の深いのフライを捕球する際にタッチアップを狙いたい。 ★無死（又は一死）走者１塁のケースでのバスターエンドランの練習をして積極的に戦略として用いたい。＊無死一塁→無死一・三塁を狙う。走者のスタートが良ければダブルプレーも回避できる。この戦略が企画できるくらいまで総力、バスター技術は上がってきている。この作戦を組みやすい打順（走者の総力と打者の技術力の信頼度による）にすることもある。 【守備面評価】 １）スカウティングレポートの通り、1番2番は初球打ちはない。→こちらの投手の制球力を計り、ボール先行するようであれば待球作戦を取りたい、からなのか？ ２）初球からストライ出来ていた◎初回から積極的にインコースを攻めることができていた◎ ３）2回表。一死一・二塁。よく１失点で踏ん張ったっと思う。サードへの低いライナー、難しい打球だが「まずはグラブに当てて前に落とす」を練習しよう。 ４）3回表。一塁走者が飛び出てキャッチャーからの送球、セーフ。一塁手庄山のタグが甘い。タグをする際の立ち位置と送球のゾーンの確認。「ベースの上」ではなくランナーの膝の位置あたりに構えること。 ５）3回表。走者二塁。武がマウンドへ。サインの確認？ ６）4回表。二死走者なし。センター前ヒット。セカンド堤は足の速い打者だという認識があったか。あればもっとセンター寄りにポジショニングをすべき。通常時も守備位置が浅い（守備範囲が狭い）。深いところで守りボテゴロへの対応を練習しよう。 ７）6回表。一塁ファールフライ落球。シートノック時に壁までの距離を測っておく（外野手、一三塁手、捕手）。上がったら真っ先に壁まで行って捕球体制に入る。追いながら捕らない。 ８）6回表。盗塁。武の送球位置◎（ベースではなく走者の膝腰あたりだった）。セカンド堤の入り位置も良かったが体が捕手の方を向いていたため捕球位置が浅くなった。半身でできるだけ深い位置で捕球する（ランナーがライディングしてくるところで）。アウトを取りにいくタグスキルを！ ９）6回表。無死一塁。投手交代荒巻。一塁牽制悪送球。牽制で殺す必要のない場面。内野ゴロダブルプレーが理想。野手の守りやすさを考えると無理な牽制はリスクが高い。点差（２点差の僅差）を考えれば不要な場面。それよりも上手スタートを切らせないようセットポジションの時間をゆっくりとることを考える。 １０）9に追記。庄山の捕球を待つコースがベースの上であるためランナー寄りに逸れた早急に対応できなかった。再度送球位置、補給位置の確認をすること。殺しに行く時はベースの上ではなく走者の腰あたり（ベースから５０−１００cmあたり）で統一しよう。 ＊それぞれの内容を中野監督やチームメイトと相談しどうするのかを決めてください。分からないことがあればアドバイスしますので聞いてください。